欧米に旅行に行きますと、日本からシャンプーを持参しても
泡立ちが悪く感じられた経験はありませんか?
これは水の中に含まれる成分の違いなんです。
ミネラル分を多く含んだ水を硬水といい、少ないのを軟水といいます。
ここでいうミネラル分とは、カルシウムとマグネシウムのことで、
これらの含有量によって、硬度という数値で分類されます。
日本では硬度100未満の水を軟水、
硬度100-300程度までの水を中軟水、
硬度300以上の水を硬水と呼んでいます。
水のミネラル成分は、雨水や雪解け水が大地にしみこみ
川となって流れていく過程で、周囲の地層などの成分が
少しずつ溶け込んだものです。
地域によって硬度に大きな差があるのは、
大地を形成している物質が地域によって違い、
水の滞留時間が異なるからだと考えられています。
たとえば欧米などに多く見られる石灰質の地層では、
カルシウムを多く含む密度が高い地層を
地下水が時間をかけて通り抜けます。
地表の川の水も広い欧米の大地を
ゆっくりと流れて海にたどり着き、こうして
ミネラルがたくさん溶け込んだ硬度の高い水となります。
日本では、雨が多く、
密度の低くて透水性の高い火山性の地層が多いため、
地下水の滞留時間が短くなります。
また、川の水も土地が狭く傾斜が急なために、
あっという間に海に流れ出てしまいます。
こうしてミネラル分をあまり含まない軟水になるのです。
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